屑米の
おいしい炊き方

意外なところで意外な人に、いきなり安い金額のお米30kを買わないかと誘われた時、うちには食べ盛りの子供がいるし、少しでも食費のたしになるといいかなと、ついつい買ってしまった経験ありませんか。

屑米とは味が落ちるお米全般を暗にさす言葉です。農家の方はおいしいお米を作りたいとい人が大半ですが、その年の気候や水田の状態、その他もろもろの大人の事情により屑米という味がおちる米ができます。ここでは、なぜそういったお米ができるのか、どのように料理すればおいしくいただけるか考えてみたいと思います。

屑米裏話

世の中には、雑穀屋さんという職業が存在していまして、農家の納屋に余っている古米を買ったり、農協に出せない小粒の米を買ったりします。使用用途は、家畜の飼料にするからという理由です。でも、とても安い値段で個人が経営している食堂やお弁当屋に卸したりしてはいるのです。食堂やお弁当屋は、毎日結構大量にごはんを炊くので、大量に炊くってとこで、なぜかおいしくなったりします。

雑穀屋さんの他に、やり手の農家が直接持ちかけるお話もあります。それは生産者の顔が見えるお米だからと購入につながりますけれども、実は、それも古米だったり、粒にもならず、研いだら壊れてしまうようなお米だったりします。苦情を言っても、『おらいでそんな米を売った覚えはない!』と一喝されて泣き寝入りして、美味しくないお米を食べ続けなければならなかったりします。

まずは、持ちかけられたら、2合くらい試食させてもらうことです。それでおいしかったら購入です。でも、そこで断ると文句八百言われることは覚悟しておいてください。

そのようにお米作りに愛情のない人が作るお米は、残念ながらおいしいはずはないし、その田んぼは米づくりに適した土地ではないのです。減反をするお金もない農家だと考えていいでしょう。

でも残念ながら、食べなければならなくなったら。米の研ぎ方は、特に丁寧にしてください。畠山さくえ式米研ぎだと米が粉砕してしまう可能性があるので、手のひらでやさしく揉むように研いでください。それから浸す時間は、最低でも半日12時間は水を吸わせてください。この長く浸すがおいしくなる秘訣になります。水加減は、心持ち少なめだと、めっこごはん(べちゃーっとしたごはん)にならなくっていいと思います。

こういう米を売る人は、新米だけど、うちの米は水加減を多くしてねと、真逆のことを言いますから注意してください。新米で、水大目は、100%の新米のうち1%もありませんから。

白米で食べるより、炊き込みごはんやリゾット、お茶漬けでもいいかもしれません。こういう米に当たってしまったときは、白米で食べるのをちょっと我慢して、バラエティごはんにしてしまうのが一番おいしい食べ方かもしれません。

人生でおいしくないごはんを食べる機会は、めったにありませんから、むしろまずさの原因はなんだろうと考えながら食べると、まずさもおいしさにかわることがありますよ。